損切という選択肢

先日、大阪市阿倍野区の築古マンション(1階テナント、2~4階住居)の査定依頼がありました。

コロナの影響で1階に入居していた企業が倒産したそうです。

またこの企業ですが1階部分すべてを借りていて家賃の約40%を占めていたそうです。

所有者のMさんはこの物件を金融機関からの借り入れで購入しており今回の退去で返済額と家賃収入がトントンになりランニングコストを考えると年間収支は赤字になるそうです。

Mさん希望としてはできれば購入額、最低でも借り入れの残債額で売却したいとの希望でした。

調査の為、現地を見てきましたが地型が悪く、前道などの条件も良くない。
また物件の状況は修繕等を行った形跡もなく空室はリフォームせずに放置。
希望金額には届かず弊社の買取金額を提示しました。

改善案も考えたのですが現在の賃貸の市況と物件の状況を考えると賃貸経営を改善するにもお金がかかり、多少損切(持出)をしてでも売却した方が金銭的にMさんにメリットがあると考え、その説明をさせて頂きましたところ

「損切はできないし、改善案もお金がかかる為やりたくない。他の業者に相談する。」とお断りを頂きました。

要は現状のままで残債額以上で売却する以外の選択肢を検討したくないとの事でしたが、おそらく難しいと思います。

Mさんだけでなくコロナの影響で大家業にもかなり影響があったと思います。

特に住居系以外の賃貸業は私の周りでも打撃を受けた方が数名いました。

倒産や事業の撤退による退去や家賃滞納が主で、特に借入がある場合は大家側も賃料が金融機関への返済原資である事がほとんどなので、退去や滞納が多くなれば大家側もしんどくなります。

また現状では新規で客付する事も苦戦が予想されます。

売却を検討する場合、損切するかどうかは、その人の資産状況や所有物件によっても判断が変わってきます。
損切できるだけの資金があるうちは良いですが資金が尽き損切すらできずに身動きの取れない状況になってしまったら、もう手詰まりです。

賃貸経営の資金繰りが悪くなってしまったら初期の段階で損切という選択肢も一つ頭に入れておく事も必要かと考えます。

コロナの影響でお悩みやお困りごとがございましたら、是非一度ご相談ください。

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