【大家24時その④】コロナの影響で天国から地獄の民泊物件

本日は久々に【大家24時シリーズ】です。

先週、1年ぶりくらいに大家業をやっているYさんから連絡があり、お会いしてきました。

Yさんは複数の不動産を所有しているのですが保有物件の内訳は

住居系3棟(うち2棟は私が仲介させて頂きました。)
テナントビル1棟
シェアハウス3棟
民泊4棟と古民家13戸

です。

待ち合わせをしていたカフェにつくとすでにYさんがいまして

Yさん「お久しぶりです。」

私「お久しぶりです。いやー1年ぶりですか?元気でしたか?」

Yさん「まぁまぁですかねぇ。早速ですが相談がありまして・・・」

私「なんとなく相談内容は予想がつきますけど、何でしょう?笑」

Yさん「やっぱり分かります?笑」

私「民泊物件の事でしょ?」

Yさん「そうなんです。あとシェアハウスも・・・」

私「だから言ったじゃないですか!まぁ私もコロナは予想外でしたけど・・・」

とまぁこんな感じで会話が始まったのですが事の始まりは3年くらい前だったと思います。
当時Yさんは住居系のマンションを3棟とテナントビル1棟を保有していました。
当時は不動産投資ブームの影響で価格がどんどん上がっており、利回りを重視するYさんとしては中々希望する利回りの物件を購入できずにいました。
そんな時、Yさんがシェアハウスの物件資料を持って相談に来まして

Yさん「大阪市内で20%を超えているのですけど、どう思います?」

私「個人的な考えですがシェアハウスは良いと思います。うまく回せば収益率が跳ね上がりますから。ただし購入するにあたっては①通常の住居使用に用途変更が容易な事②通常の住居使用を想定した場合の利回りを基準に検討する事ですかね。」

Yさん「なるほど」

私「で、この物件ですが古い事務所ビルをシェアハウス使用にしていますし、通常の住居もしくは事務所貸しの賃料基準で利回り計算すると全く話にならないので個人的には辞めたほうが良いと思います。」

Yさん「でも短期で利益あげれば逃げ切れると思うのですが。」

私「まぁ投資は自己判断ですし同業者の商売の邪魔はしたくないのであまり強くは言わないですが個人的にはお勧めできないです。」

上記の様なやり取りがあったのですが、結局その後Yさんは上記物件を購入しました。

その後もシェアハウスを2棟購入し、民泊ブームに乗って民泊にも参入。

1年前にお会いした時は

Yさん「いやーシェアハウスも民泊も絶好調でキャッシュフローがすごいですよ。もう普通の収益物件は買えないですね。」

私「確かに収益率はすごいと思いますけどシェアハウスはともかく民泊に注力するのはYさんの場合、長期的に見ると怖いですけどね。
借り入れ総額の半分以上民泊物件の購入資金じゃないですか。
民泊の運営が何かの要素(法改正とか)で厳しくなったら危なくないですか?
民泊を否定はしませんけど、もう少し通常の収益物件(しっかりキャッシュフローが出る物件)を増やした方が良い気がしますけどね。」

Yさん「いやいやオリンピックもIRもあるし絶対大丈夫。10年以内に全額返済する予定ですから。今は民泊で出たキャッシュフローを原資に戸建ての民泊物件を買い増してるんですよ。」

私「仮に全部、通常の賃貸の賃料で収入を想定したら返済できます?」

Yさん「どうだろう。民泊でやっていくつもりだから考えてないなぁ」

私「短期間で稼げるだけ稼いで逃げ切れれば大丈夫でしょうけど最悪も想定しといたほうが良いですよ。」

Yさん「相変わらず堅実というか固いね。笑」

私「民泊利回りやシェアハウス利回りって本来の物件のポテンシャルを無視して利回り跳ね上がるから、あまり好きになれないのですよ。」

Yさん「言いたいことは分かるし考え方はそれぞれだから、どれが正解ってわけじゃないしね。」

私「そうですよね。なんか否定ばかりですいません。」

Yさん「民泊できそうな物件は積極的に買うからいい物件有ったら紹介してね。」

こんな感じの会話をしてその日別れました。

そして月日は流れ先日、コロナの影響をモロに受けてかなり苦しい状況に追い込まれているYさんと再会しました。

さすがにコロナは想定で現状は民泊の収入は0円、またYさんのシェアハウスは留学生が多かったようで入れ替わりのタイミングも重なってしまい収入がかなり下がっているようです。

現状はマンション3棟とテナントビル1棟とシェアハウス3棟の収益で借り入れの返済を行っているようですが毎月赤字だそうです。

今は多少のストックがあるので持ちこたえているようですが毎月現金が減っていくので不安でいっぱいとの事。

幸いなことにYさんの場合はマンションやテナントビルなどが現在すべて満室で稼働しており、そこからの毎月のキャッシュフローと今までの民泊での収益の余剰金がある為、2~3年くらいは毎月の赤字に耐えられる資金がありますので、その間に今後の経営方針を練り直さなければなりません。

私は勝手にアドバイザーに任命されました。笑

売却、通常賃貸へのコンバージョン、などなど何パターンかの策を練らなければなりません。(いくつかの物件の売却先の目星をつけていますがコロナが落ち着くまでは難しそうです。)

Yさん以外にも私の周りで民泊に手を出しコロナの影響で天国から地獄に落とされた方が数名いますがみなさん大変苦労されております。

コロナが落ち着けば再度、民泊も息を吹き返すかもしれませんが、それまで耐えられる資金と精神力が必要です。

投資は自己責任です。
購入を検討される場合(特に資金力が乏しく投資初期の方)は最悪を想定し、リスクを天秤にかけ賢明な判断をお下し下さい。

久しぶりの【大家24時シリーズ】を長々と書きましたが最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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